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見事な着地点

日曜日は、

20歳年上の従兄の納骨式でした。

波瀾万丈という言葉は、
彼のような人のためにある
といっても過言ではない、
浮き沈みの激しい一生…

30代で起業、
40代で都心の一等地に自社ビルを持ち、
50代でそれらを全てを失い、
その後始めた小さなお店を
ある日、もらい事故で壊され、
その補償をめぐる裁判でも、
相当苦労をしたようでした。

そんな生活のあいだに、
脳梗塞でたおれた妻は
意識のないまま、
10年もの入院の果てに亡くなっています。

それでも…会う度に、
彼はいつも底抜けに明るいのです。
そして、その時にできる仕事を
(全盛期の彼を知る人が
驚くような仕事でも)
笑顔で全力でやっていました。

また、得意のカラオケでは、
地元のテレビ局主催のカラオケ大会で
何度も優勝していたり…
人生を楽しむことも
忘れてはいませんでした。

彼の2人の娘たちは
共にキャリアウーマン。
けれども、
家庭では好きなことしかしない
ワガママ放題の父親を
最後まで愛して、支えてきました。

晩年、1人で動くのが難しくなっても、
娘たちは、海外出張で
沢山マイルが貯まったとかの理由をつけては、
彼が愛したハワイやグアムに連れて行き、
美味しいものに目がない彼を
頻繁に食事に連れ出してもいたそうです。

だから…
法要の後の供養の会食は、
彼が半世紀近くものあいだ通いつめた
馴染みのステーキ店で行なわれました。

亡くなる1ヶ月前に
彼が最後に食べたものと
同じコース料理を頂きながら、
彼のムチャクチャ振りを
皆で話し尽くして
笑い尽くして
そして、何度も涙ぐみました。

中医学では、
万物の一生を5つのステージに分ける
「五運」という理論があります。
五運とは、
「生、長、化、収、蔵」のことで
「春、夏、晩夏、秋、冬」の
5つの季節にたとえられます。

それを人の一生に置きかえると、

春は成長著しい青少年期、
夏は体力と知恵を絞り
見返りを求めず全身全霊で働く壮年期。
晩夏はそのピークの時期の方向転換。
そして秋は、夏に働いた対価を受けとり、
冬は、人生の知恵を次の世代に残して、
ひとつの生命が幕を閉じる時、
と言われています。

彼の人生の秋は、
なかなか対価が得られず
苦しんだこともあったでしょう。
けれども、どんなに遅くても
最終的には豊かな実りを手にして、
彼の明るさと、働く意欲を
しっかりと受け継いだ
次の世代に看取られ、
長く患うこともなく
理想的な最期を迎えられたのです。

「なんのかんの言って
お父さんっていつも
最後に帳尻合わせちゃうのよね」

そんな次女の言葉が
何よりのはなむけに思えた
悲しいけれど、満ち足りた
彼とのお別れの時間でした。

※写真は、彼が愛したハワイ
アラモアナパークで毎年5月に行われる
亡き人のたましいを偲ぶ
ランタンフローティング(精霊流し)
の風景です。